NSP歳時記 ~立夏~ 天野滋シーズンズ・セレクション

N.S.P( NSP ) NSP歳時記 ~立夏~ 天野滋シーズンズ・セレクション歌詞
1.水のせいだったんです

作詞:天野滋
作曲:天野滋

君のKissがなんだか昨日と違う
水の味も変だったんです
擦りむいた心の傷 治りにくい
虹が消えたせいだったんです

冷たくなった小犬を抱きしめてる
君を今すぐ迎えに行こう
錆びたブランコで泣きながら揺れている
あの日の君をここへ
連れ戻そう 連れ戻そう

送電線の向こうから景色が霞む
風の匂いも変だったんです
ピカピカだった自転車も盗まれていた
月が隠れたせいだったんです

明日の朝世界が滅びようとも
今夜も草木に水をあげよう
説明できな悔しさに震えている
あの日の君をここへ
連れ戻そう

水のせいだったんです

冷たくなった小犬を抱きしめてる
君を今すぐ迎えに行こう
錆びたブランコで泣きながら揺れている
あの日の君をここへ
連れ戻そう 連れ戻そう


2.リズムもよろしく

作詞:天野滋
作曲:天野滋

街吹く風 ほころぶ雲の下
散歩のつもり ブラブラリ
空をあおいで 大きくあおいで
粋な上着 ほこりを はらい
リズムも よろしく ステップふんで

紙飛行機 力まかせ
空から地面に ストンとおち
空をあおいで 大きくあおいで
子どものころより うまく ならない
顔をゆがめて ためいき一つ

路次裏 たたずむ あの娘だれ
どこかで 見た娘 頭をひねって
空をあおいで 大きくあおいで
子どものころ よく 遊んだ娘
なのに声一つ かけずじまい

流れる人並 さけて通り
それでもごつんと ぶつかりながら
空をあおいで 大きくあおいで
なんにも いいこと なかった けれど
今日はなんだか 気分がいい


3.弥生つめたい風

作詞:天野滋
作曲:天野滋

桜ふぶき舞い落ちる 古い並木のすみっこで
待っている君のこと 知っていたけど
帰る時は 口づけそっとしてねといった君を
おかしいよと おかしいよと笑った僕でした
弥生の空 風が強くても 桜の花 風に散らないで

こんなに早く散る花を 前に一度おぼえてる
君と僕が 別れた年のこと
花びら髪にかざして だまったままで君は
くしゃくしゃに くしゃくしゃに 顔をゆがめたね
卯月の空 風が強くても 桜の花 風に散らないで

さようならっていったのは 君の方だったし
後ろ姿に手をふったのは 僕だったし
桜ふぶき舞い落ちる 長い並木を最後まで
とても小さく とても小さく 点になるまで
五月の空 風が強くても 桜の花 風に散らないで
五月の空 風が強くても 桜の花 風に散らないで


4.八十八夜

作詞:天野滋
作曲:天野滋

ひきだしの中からあの人の写真
みんな棄ててしまったはずなのに
それはもう黄ばんでしまっていて
泣き顔か笑い顔かわからない
あの人の思い出にピリオドを打って
明日 嫁ぎます
もうすぐ八十八夜 もうすぐ暖かくなる
もうすぐ八十八夜 もうすぐ幸せになる

こんな夜にあの人の電話
遠くでなつかしさが話し掛ける
本当はあの人に手を引かれ
いっしょの人生を歩きたかった
昨日までのあの人を忘れられないのは
私の弱さでしょう
もうすぐ八十八夜 もうすぐ暖かくなる
もうすぐ八十八夜 もうすぐ幸せになる

写真が黄ばむように あの人との事も
色あせてゆくかしら
もうすぐ八十八夜 もうすぐ暖かくなる
もうすぐ八十八夜 もうすぐ幸せになる


5.君と歩いてみたくて

作詞:天野滋
作曲:中村貴之

ひさしぶりだネ こんないいお天気は
ずっと前から待っていた こんな日を
君と歩こうよ 歩調をあわせてさ
お日様に しかられるから 出てこない
ザラザラ砂まじりの風さんにあいさつを
ねぇ そんな日でしょう今日は

ふしぎなもんだネ こうやっているのは
ずっと前から待っていたはずなのに
君と歩こうと 楽しみにしてたんだよ
10人もまごのいるような おばあさんに
通りすがりのおばあさんにあいさつを
ねぇ そんな日でしょう今日は

10人もまごのいるような おばあさんに
通りすがりのおばあさんにあいさつを
ねぇ そんな日でしょう今日は
今日は…


6.The WIND'S SONG

作詞:天野滋
作曲:天野滋

ああ この体じゅう
ああ この体じゅう
ああ 風を受けて 風を受けて
風を受けながら

丘へ続く道を
風が通り抜ける
背のびしたら ふいに
空が低く落ちる
淡い光を浴びて 君が輝きだす
二人きり過ごすことが とても自然すぎる
君の影の上に
僕の影を重ね
大地の温もりを
確かめながらゆく

疲れた時君は
僕のベッドがいい
ゆっくり眠ったら
少し勇気が沸く
自由に生きることに 深い意味はないし
不確かな未来よりも 裸のままの君

ああ これからずっと
ああ これからずっと
ああ 風を受けて 風を受けて
風を受けながら


7.チケット握り締めて

作詞:天野滋
作曲:天野滋

明日のチケット 押えたし
いつも いつも いつもどおりさ
要る物これでみんな
鞄に納めた
電話掛けて 誘うから
君と 君と 君と二人で
行先不明になって
気ままに過ごそう

そこは誰も 僕を知らない
もちろん君を 知る人もいない
君を路上で 抱きしめた時に
景色の中に 溶け込むさ

道が分れ 右左
いつも いつも いつも同じさ
足跡少いほうを
選ぶとしようか
都会の静か 森の静か
どこか どこか どこか違うよ
生まれてから今まで
気付かないでいた

束縛されない時間を食べて
時計の針を忘れてしまおう
街の人とバスに乗り込み
本当の風を感じるさ


8.思い出はドラマさ

作詞:天野滋
作曲:天野滋

思い出 それは あの日に君と別れてから始まった
思い出 それは ドラマさ 心がスクリーンさ
すべてが同じ景色の中に 静かに息づいている
すべてが同じだけれど 君の姿がそこにない
君の姿がそこにない
僕の影だけ他にない

緑の森を四角いキャンパスに 閉じこめた君が
片目を閉じて笑った あれはクライマックス
五月も終わりかけてた 温い日差しが降り注いでた
すべてが同じだけれど 君の姿がそこにない
君の姿がそこにない
僕の影だけ他にない

思い出 それは 心に根を張り枝を広げてく
思い出 それは 傷跡悲しみしか残さない
すべてが絡みあってる 長い長い長い物語
すべてが同じだけれど 君の姿がそこにない
君の姿がそこにない
僕の影だけ他にない
君の姿がそこにない
僕の影だけ他にない


9.五月雨

作詞:天野滋
作曲:天野滋

二つも年をごまかして 僕に抱かれ
行きずりの恋なんて言った君さ
どうしてそんなに意地を張るの その理由は
聞かないでいたほうが良かったよ
素敵な恋を失くしたの
そんなことをこの僕に
幼い頃の想い出を 笑顔で話す君でいてね
失くした恋は忘れてさ
人の幸せ恨むより
やさしいだけの君がいい
終った恋は忘れてさ いいね

こんな夜に雨だなんて 憂うつだなあ
せっかく君が 尋ねて来ても
どうして自分を苛めるの
悲しいことは誰だって
一つや二つあることさ
人は黄昏年老いて 遠い想いに背を向けて
歩き疲れ泣き尽くす
誰の心を憎むより
悲しさ辛さ嘆くより
僕の愛を受け止めて いいね

失くした恋はこの五月雨に 洗い流してしまえばいい
過ぎた後はなつかしいだけ
今は僕のこの胸に 抱かれ眠れぐっすりと
何もかも忘れてさ いいね


10.お休みの風景

作詞:天野滋
作曲:天野滋

明日はほんとに行こうと いっていたんじゃないか
お休みなんだから 遠くに出られると
かわいた土の道を ズボンのすそ ひきずって
歩く姿の君 ウ…………
花の咲いてる野原で きれいなのを一本
おさげのさきっちょに 飾ってあげたかった
日よけの帽子も買っておいたのに
夢の続きをみるだけね
あとに残るは ぼくをよこぎる 恋人達の笑い声

素晴らしい思い出にしようだなんて
君のくちから聞くとは思わなかった
へたな別れ話はやめようと
へいきなふりしていったけれど
日よけの帽子も買っておいたのに
夢の続きをみるだけね
いきかう車の音にかき消され
さいごの言葉も聞こえない

ラララ………


11.線香花火

作詞:天野滋
作曲:天野滋

はじっこつまむと 線香花火
ペタンと しゃがんで パチパチ燃やす
このごろの花火はすぐに落ちる
そうぼやいて きみは火をつける
浴衣なんか着たら 気分がでるのにね
湯上がりで うちわを片手だったらね
はじっこつまむと 線香花火
僕は燃えかす拾う係りでも

風を背にうけ 線香花火
僕はきみの機嫌が 気になるけれど
こうしてる二人は 絵になるわ
そうつぶやき きみは火をつける
きみの目の中で光っているんだ
こっちの方が本物よりすてきさ

風を背にうけ 線香花火
僕たちの恋も きれいに燃やそうよ
パチパチ光る 線香花火
来年も二人でできるといいのにね


12.ゆうやけ

作詞:天野滋
作曲:天野滋

やんちゃぼうずが走ってく
このかいわいに夕陽がおちる
赤んぼだいた婦人がせわしなく
せんたくものをとりこんで
子供は好きよといったきみの
やさしさがゆれています
あゝ ひさしぶりの夕やけがきれいです

きみはボクのものだよと
小さい電球だけにして
きめられた日課みたいに
口づけするとまた泣いた
へやはせまくてくらしにくいけど
お金をいっぱいためましょうネ
あゝ ボクがかんだうでのきずあといたくなれ

さびしそうねとボクにいったあとの
きみのほうがさびしそうです
あゝ ほんとにひさしぶりの夕やけが赤赤と


13.八月の空へ翔べ

作詞:天野滋
作曲:平賀和人

草原の白い柵に
少女の君が寄り掛かってた
新鮮な風を集めて
深く吸い込む思い出遠く
八月の空はどこまでも
続いた青い空
自然を愛する気持ちさえ
忘れていたようだ
僕は今 あの時の
君に口づけた 一人の少年

膨らんだ夢はいつか
少女の君を大人に変えた
どうしても行くと言うなら
せめてたまには電話をよこせ
八月の空はいつまでも
二人の別れ道
都会が冷たくいじめたら
帰って来るがいい
僕は今 あの時の
君の泣き顔 思い出してる


14.浮雲

作詞:天野滋
作曲:平賀和人

泣いた日よ 悔んだ日々よ それは幼くて
おまえにとってはちっぽけな ただのお話か
一途だった昔の恋は やけに懐かしく
俺にとっては重大な 胸に記す年輪
これっきりだ 俺が叫ぶ
あいつが 頷いた
また会おう 席を立って
握手で 別れたなんて
告げたならば 笑うだろうか うぶだ若かったと
自分自身もおかしくて 笑みを浮かべてしまう

いざこざもすれ違いも どれも現実か
俺の心にポッカリと 漂う浮雲だろう
やさしさだとか おもいやりだとか
わかったつもりでも
些細な事で 傷つけ合い
あいつと別れたなんて
告げたならば 笑うだろうか うぶだ若かったと
自分自身もおかしくて 笑みを浮かべてしまう


15.夕暮れ時は淋しそう

作詞:天野滋
作曲:天野滋

田舎の堤防 夕暮れ時に
ぼんやりベンチに すわるのか
散歩するのも いいけれど
よりそう人が 欲しいもの
あの娘がいれば 僕だって
淋しい気持ちにゃ ならないさ
まわりの暗さは 僕たちのため
あの娘が来るのを 待っている

夕暮れ時は さみしそう
とっても一人じゃ いられない

夕焼け雲さん 伝えて くれよ
あの娘のお部屋の 窓ぎわへ
虫にさされるのは いやだけど
肩をならべて いたいよと

こんな河原の 夕暮れ時に
呼びだしたりして ごめんごめん
笑ってくれよ ウフフとネ
そんなにふくれちゃ いやだよ

夕暮れ時は さみしそう
とっても一人じゃ いられない

夕暮れ時は さみしそう
とっても一人じゃ いられない

おうちの人に おこられるかな
呼びだしたりして ごめんごめん
もうちょっとだけ 一緒にいよう
帰りたいなんて言わないで
そうか君は 笑うのが
へたに なっちゃったんだね
あんまり 僕を 困らせないで
そろそろ笑って くれよ

こんな河原の 夕暮れ時に
呼びだしたりして ごめんごめん
笑ってくれよ ウフフとネ
そんなにふくれちゃ いやだよ

夕暮れ時は さみしそう
とっても一人じゃ いられない

夕暮れ時は さみしそう
とっても一人じゃ いられない

夕暮れ時は さみしそう
とっても一人じゃ いられない


16.あせ('80,8,2 田園コロシアム)

作詞:天野滋
作曲:天野滋

全く人気のない道に しらけた太陽が照って
ほこりっぽい石ころだらけ 風もない雨もない
何かいいこと捜して ひたいにしわよせて歩いて
こんな道 一本道を気のむくままに フラフラと
つぶつぶの しょっぱい汗を
つぶつぶの 汗を流し
つぶつぶの しょっぱい汗を
つぶつぶの 汗をぬぐう
せっかく生きているのに 何にも出来ないなんて
石ころをけとばして 空にぶつけてみようか
みっともないこんな姿を 誰にもみせたくないから
道に沿って 遠くどこかへ 行ってしまいたいのさ

この世で一番大事なものは 一体何だろう
金でもない勉強でもない まして女じゃないさ
もちろんそれだって 少しは大切だけど
もっと大事なことが 絶対あるはずさ
つぶつぶの しょっぱい汗を
つぶつぶの 汗を流し
つぶつぶの しょっぱい汗を
つぶつぶの 汗をぬぐう

そりゃ誰だって つらいことはたくさんあるけれど
この世に生まれた以上は 生きてゆかなくちゃ
生意気だけど 精一杯生きてゆくのさ
そうすれば きっと何かがあるはずさ
つぶつぶの しょっぱい汗を
つぶつぶの 汗を流し
つぶつぶの しょっぱい汗を
つぶつぶの 汗をぬぐう


17.青い涙の味がする('80,8,2 田園コロシアム)

作詞:天野滋
作曲:天野滋

すすきが揺れる 遠いふるさとの町に
忘れ物を捜しに来たんだ
ホームに足を 降ろしただけでこうばしい
青い涙の味がする
仲間を呼んで騒いだ
酒など飲んで歌った
そしていまはみんなちりぢり
青春なんて言葉を
手のひらで握り潰してた
あの頃の僕たちさ

黙っていても 少しずつ年をとってく
体の中は思い出だらけ
久し振りに ふと合わせたアイツの顔が
可笑しいくらい老けていた
握手をしてもダメさ
頭を下げても無駄さ
心の距離を感じてしまう
青春なんて文字が
心の隅をつつく
傷口をまたつつく

慰めあった人も
別れを惜しんだ人も
今となってはみんなちりぢり
青春なんて言葉の
意味さえわからずに
あの頃は生きていた

青春なんて言葉を
手のひらで握り潰してた
あの頃の僕たちさ


18.秋の木立ちと天気雨

作詞:天野滋
作曲:天野滋

秋の木立ちは気取っても
冬が来るのを隠せない
紙とエンピツ転がせば
転た寝猫が耳立てる
ちょっと零れた溜め息
ちょっと零れた溜め息
郵便受けは今日も空っぽ
一枚枯葉が覗いてる
それは季節の悪戯
それは季節の悪戯

君のKISSは天気雨
知らない間に乾いてる
君の助けが欲しいんだ
恋の病いはなお続く
ちょっと零れた溜め息
ちょっと零れた溜め息
声がするような気がするけれど
生憎外は空っ風さ
それは季節の悪戯
それは季節の悪戯


19.始発電車

作詞:天野滋
作曲:天野滋

起きぬけの ホームにひとり
そでの汚れに 吐息が白い
手のひらの キーを放る
レールを めがけ ひといきに

少女のうすい胸が
僕の隠れ家だった
始発電車はまだこない

朝もやが 低く沈む
風がないのは いつもと同じ
ドアしめて 最後に笑う
ほほのえくぼが 目に痛い

少女のうすい胸が
僕の隠れ家だった
始発電車はまだこない


20.碧き空は永遠に

作詞:天野滋
作曲:平賀和人

並んで腰掛けていた
静かなる老いた人よ
道を歩く人々の足元転がる
枯れ葉の囁きを聞き分けていた

誰かを愛する為に
生まれたと母に聞いた
遠い記憶たどるたび 僕たちはいつか
ぼんやりしている幸せ思う

短か過ぎる人生でも
君のために残しておいたから

遠い記憶たどるたび 僕たちはいつか
ぼんやりしている幸せを思う

短か過ぎる人生でも
守るだけのものがあったから

煙が空へと続く
これからの子供たちよ
かけがえのない自由な多くの時間を
大事に使って欲しいと思う


21.歌は世につれ

作詞:天野滋
作曲:天野滋

街頭では学生たちが
マイクをもって声を上げる
決まりきったように政治の季節
どこかの店先に流行りのメロディ

歌は世につれ僕はおもう
燃えつきそうな若さにしがみつこうと
いつでも いつでも

情熱を注ぐのは何でもいいし
どれもこれもが1つの青春で
僕もこうしてギターを持って
LOVE SONGを口ずさむ

歌は世につれ人は誰でも
過ぎていった昨日にすがりついてる
いつでも いつでも

死にたい時も何度かあった
自分が嫌になることだって
泣き顔だらけの僕のとなりに
君が笑ってすわっていて欲しい

歌は世につれ僕はおもう
足並をそろえすぎて流れてしまう
いつでも いつでも


22.風が変わる時

作詞:天野滋
作曲:中村貴之

月日を重ねるほど 思い出が増えて
消すに消せないくらい 抱えていた
君と暮し始めた あの部屋の隅に
置き忘れてたものが あると気付いた
たとえ風がいつか変わり
冬の風に吹かれても
君と二人なら うまくやってゆけると
本気で思っているのさ今は…

幸福(しあわせ)の意味なんて 考えなかった
やさしさやいたわりが 足りなかった
僕が甘え過ぎてた これまでの日々を
許してくれた君が とても愛しい
たとえ風がいつか変わり
冬の風に吹かれても
君と二人なら うまくやってゆけると
本気で思っているのさ今は
ラララ………


23.おはじき

作詞:天野滋
作曲:天野滋

身の上話が空を切る
悲しいドラマの ひとコマに似て
この時ばかりと 涙をさそう
君はおはじき 指ではじいた
笑顔のまま 横向いたまま
聞いてないふり しないで
聞いてないふり しないで

誰だって悲しいことはある
わかりきっているはずなのに
僕の悲しみのひとつにも
君は涙を流してほしい
僕に抱かれ黙って抱かれ
聞いてないふり しないで
聞いてないふり しないで

ウウウ……


24.愛のナイフ

作詞:天野滋
作曲:細坪基佳・天野滋

窓をたたく人の影に 飛び起きてドアを開いてみた
木枯しに髪も凍らせて 君が立っている
愛してるワ 信じてるワ
そんなはがゆい言葉でさえも
今夜は本当に聞こえて 僕を迷わせる

何が悲しいの 何が淋しいの
心心心を開く 愛のナイフが欲しい

涙ためて顔ゆがめて 君は死にたいなんて叫んだ
お酒もたくさん飲んで やけになってるのか
だまされてた 裏切られた
君は心を閉ざしてしまう
イヤな奴の悪口も 話して欲しいのに

何を気にするの 何をこわがるの
心心心を開く 愛のナイフが欲しい
愛のナイフが欲しい

君はまるでステキすぎて
テレビ映画のヒロインみたい
下手な嘘をたくさんついて 疲れ果てて眠る
今夜だけは離さないと そんな台詞を僕に云わせて
自分の事はすべてを 隠し通すばかり

何が悲しいの 何が淋しいの
心心心を開く 愛のナイフが欲しい
愛のナイフが欲しい


25.北風が見ていた

作詞:天野滋
作曲:天野滋

約束なんて 守れなかった
吐息のようなつぶやききいていた
真顔でウソを云えたその日から
子供のような笑顔も忘れたの?

好きだったと口にしたのは
すべて過去にするため
つないだ君の手が自然に
ちぎれてた 季節は
みじめだった 屈辱の涙
風が見てた

風が見ていた
風が見ていた

普通の日々を生きたくないと
それならどんな明日を望むのか
煙がくすぶるたき火を
ながめてた 鋪道で
誰もがだまってた理由は
冬を待っていただけ
静かだった 死んでゆくように
風も見てた

風が見ていた
風が見ていた
風が見ていた
風が見ていた


26.木枯がやさしい夜

作詞:天野滋
作曲:天野滋

外は木枯さ窓ガラスが笑う寒い夜さ
ちょっとここに来て僕の話聞いて少し聞いて
君に不満があるわけじゃない
安らぐ毛布に包まれながら
愛する人が微笑んで見守る夜も
何か不安に思う

溶けた雪がまた凍り始めてゆく深い夜さ
テレビが終わったら冬の風を入れて少し入れて
君を縛っているわけじゃない
傷つけ合うのも時には愛さ
言葉ばかりの慰めは優しさじゃない
そうと分かっていても
外は木枯吹き荒れる夜
愛する気持ちに変わりはないし
二人こうして過すたび幸せだけど
何か不安に思う


27.潮騒のホテル

作詞:天野滋
作曲:天野滋

潮騒が聞える 海辺のホテルは
季節はずれで 人影もない
男と女が 安らぎ捜して
たどり着いたら どうなる

満たされていた日々 思い違いの日々
信じる中にも 不安がつのる
男も女も 危険を承知で
それでも愛を囁く

ひとつになれれば ひとつが幸せ
ひとつになりたい 体と体
抱きしめたいけど 抱きしめられない
抱きしめたときに 心と心

投げやりな言葉で 傷つけるときでも
その陰に隠れた 真実がある
男と女の すきまを埋める
やさしさだけで いいのに

ひとつになれれば ひとつが幸せ
ひとつになりたい 体と体
抱きしめたいけど 抱きしめられない
抱きしめたときに 心と心

潮騒のホテルは 冬を待つホテルさ
これから先は どうなる


28.かくれんぼ鬼は誰

作詞:天野滋
作曲:天野滋

空がない 土がない
東京の街
ほこりだらけの雪でさえ
降れば いいなぁ
かくれんぼ 鬼は誰
かくれんぼ 鬼は誰
かくれんぼ 鬼は誰

ちょっと待って ひとりぼっち
言葉が欲しい
朝なのに 日もでない
空が落ちてくる
かくれんぼ 鬼は誰
かくれんぼ 鬼は誰
かくれんぼ 鬼は誰

頬にキッス 恐い顔
今でも わからない
どこを越え 旅に出る
手遅れに ならぬよう
かくれんぼ 鬼は誰
かくれんぼ 鬼は誰
かくれんぼ 鬼は誰


29.かげふみ

作詞:天野滋
作曲:天野滋

冬のかげは昼間でも
大きいからすぐつかまるよ
きみのかげをふんだなら
ぼくからもうにげられない
かげふみ かげふみ
日かげなんかににげるなんてずるいな
かげふみ かげふみ
つかまえたらキスしてもいいだろう
かけ足のおそいきみ ほらつかまえた

お日様がかくれたら
きみとボクはちょいとひとやすみ
ながれるあせをふくのには
きみのハンカチかりようか
かげふみ かげふみ
二人だけのないしょないしょのあそび
かげふみ かげふみ
寒空の下 風といっしょにおいかけっこ
にげおくれたスカートのかげをふんだのさ

かげふみ かげふみ
二人だけのないしょないしょのあそび
かげふみ かげふみ
つかまえたらキスしてもいいだろう
かけ足のおそいきみ ほらつかまえた


30.遠野物語

作詞:天野滋
作曲:天野滋

朝霧に包まれ 静かに眠る山々は
雪溶けを待ちわびて息をひそめる
美しい白馬が空を走り抜けるように
喜びも苦しみも通り過ぎゆく

私のすべてを
すべてを見て欲しい

忘れないで 幾度生まれ変わろうと
離さないで 強く抱きしめて
忘れないで 命かけた愛の日を
離さないで 永遠の約束を
忘れないで きっと

愛せば愛すだけ 誇りも自信もなくなる
不安が体じゅうをふるえさせるの

私のすべてを
すべてを見て欲しい

忘れないで 髪を切ったあの夜を
離さないで この手ちぎれても
忘れないで 炎燃やす激しさを
離さないで 永遠のやすらぎを
忘れないで きっと

忘れないで 幾度生まれ変わろうと
離さないで 強く抱きしめて
忘れないで 命かけた愛の日を
離さないで 永遠の約束を
忘れないで きっと


31.Radio days

作詞:天野滋
作曲:天野滋

遠くの電波探りあて 真夜中に聴いていた
空っぽだった青春の隙間を埋めてた
憧れていたあの人と 見つめあう瞬間に
弟たちの足音で目覚めたRadio days

家を抜け出して愛するみたいに抱きしめた
見上げた星空に何を願っていたのか

記憶の中にとどめた 大好きだった君の笑顔
ほんのかすかなきらめき 心の奥で繋ぐRadio days

見慣れた奴が写ってる 年の瀬のショーウインドー
あらから何年たったのか くたびれてないか

大事なレコードは催促出来ずに貸したまま
みんなの消息も噂以上にないのさ

記憶の中にとどめた そこにはとっくに何もないけど
ほんのわずかなこだわり 心の奥で響くRadio days

やり場のない思い 自動販売機に蹴りいれて
ただよう朝もやを 何故に恐れていたのか

記憶の中にとどめた 大好きだった君の匂い
ほんの小さなメモリー 心の奥でつないでいる

記憶の中にとどめた そこにはとっくに何もないけど
ほんのわずかなこだわり 心の奥で響くRadio days…


32.五丁目二番地('80,8,2 田園コロシアム)

作詞:天野滋
作曲:天野滋

淋しさに耐えかねて 公衆電話
ダイヤルを回す音 心に凍みる
帰るよ今すぐ やさしさ求めて
帰るよおまえに 安らぎ求めて
路地裏に迷ってる子犬を抱いて
おまえが待っている五丁目二番地

履いた靴が重い程 疲れた時に
振り返ると影一つ 僕の影だけ
帰るよ今すぐ 何もかも棄てて
帰るよおまえに 安らぎ求めて
ポケットの小銭をはたいて買った
花束を抱えて 五丁目二番地

帰るよ今すぐ やさしさ求めて
帰るよおまえに 安らぎ求めて